情勢の特徴 架空の需要と過剰生産 アメリカのサブプライムローンに端を発した世界的経済危機の要因は、金融資本の拡散による人為的な需要と虚構の購買意欲をつくりだし、借金でモノを買う風潮を社会に押しつけたことによります。このため実体経済の3倍近くの金融資産の膨張とそれにともなう「架空の購買力」が過剰生産を誘発し、金融危機の躓きによって矛盾がさらけ出されました。そのことから今回の恐慌は「金融危機と過剰生産恐慌の結合」といった経済危機の特徴を示しています。 とりわけ日本においては大企業を中心とする多国籍企業の外需依存の経済政策をそれまで以上に進めたため、OECDの経済見通しに示されたように、09年実質経済成長率マイナス5.3%と先進7ヵ国のうち最も激しい落ち込みとなっています。国内の経済に目を向けず、アメリカの「架空の需要」に依存した外需頼みの経済政策が日本国内においても煽りを受け、過剰生産恐慌という事態を引き起こしているのです。 貧困の元凶はルールなき資本主義 さらに日本経済と国民生活の落ち込みが他国に比べて激しい原因は、新自由主義的「構造改革」による国民生活の破壊に加え、従来から横行して異常ともいわれる「ルールなき資本主義」のゆがみと深く関係していることです。この下地の上に「弱肉強食」の行き過ぎた競争原理が拍車を掛け、異常とも言える格差社会を生み出しました。そのため日本の相対的貧困率は15.7%、先進30ヵ国中4番目の高さという、経済大国2位の内容そのものが厳しく問われています。特に重視しなければならないのは、貧困層の中に働くものの比率が他国に比べて高い数値を表していることです。 福岡県 北九州市 若松区 ビジネスホテル うめかぜ組合

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